ポール・トーマス・アンダーソン監督のテーマは、非常に「フロイト的」だ。
まず、『ブギーナイツ』(1997)、これはポルノ業界を描いていて、主人公はドラッグのやり過ぎでEDになる。フロイトっぽくいえば、「去勢不安」と闘っている。
続いて、わたくし史上最高の映画、『マグノリア』(1999)、これは主人公格のクローディアの「ヒステリー」という視点から捉えることが可能だと思う。
ヒステリーの原因をフロイトは「幼少期に受けた性的虐待の結果」だと発表している。
クローディアはすぐに感情的になってコントロール不能になる。その原因は(作中でははっきり語られていないが)幼少期に受けた性的虐待だから、そのまんまフロイトの説を援用している感じになっている。
次は『パンチドランク・ラブ』(2002)。これは「大人が子どもの世界を生きている」かのような映画。この映画の主人公も非常にヒステリックだ。そのヒステリーは、パンチドランク・ラブ(強烈な一目惚れ)を通して童心に帰ることで解消される。
「さあ、ここから始めましょう」という最後の台詞……。
非常に分かりにくかった『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)、これは落盤事故の怪我によってEDになった男の昇華を描いていると捉えられるだろう。
最後に『ザ・マスター』(2012)。新興宗教の話。この教祖が信者を「過去の旅」へと連れていく。フロイトの自由連想法からモチーフを得ているのは明らか。
で、以下からはこの『ハードエイト』のテーマ。
ちょっと強引にフロイトっぽくいえば「エディプス・コンプレックス」に近い。
主人公の母が亡くなったらしいところから始まって、その葬儀代をどう工面するか主人公は困っている。
そこにある男が現れて、主人公にギャンブルの術を教える。その結果、主人公は金を得て、母の葬儀をした(ようだ)。
その後も、その男は主人公を助ける。助け続ける。
なぜ?家族でもそこまでしないのに……、というくらいに助ける。
ネタバレはしないようにわたくしのフロイト流解釈を書く。
まず、フロイトのいう、父親殺し。良いブログのリンクを貼っておくので、興味あれば見てほしい。
で、主人公はこの男にはっきり言って「去勢」されている。主人公はこの男の姿を真似ている。抵抗不可能な上「助けてくれ」と何度も懇願している。
しかし、去勢されているだけではない。PTAの脚本は全く陳腐になっていない。
この父のような男も、主人公を「去勢してしまった」ことを後悔している。だからこそ助け続ける。
以上のようにフロイト的で、でも陳腐になっていない。オリジナリティがかなりある。
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