※ネタバレあり。
何度か見てようやく理解した映画。
There will be bloodというタイトルは旧約聖書に由来するもので「いずれ血に染まる」の意らしい。
で、このbloodの意味、もちろん「血」なんだが、他に「石油」の隠喩でもある。更に、「血縁と家族」の意味がある。
この映画は資本主義や宗教の話ではなくて、血縁と家族の物語である。
主人公のダニエルが冒頭の石油採掘の場面で、転落してかなり痛がってるシーンある。あまり意味あるシーンのように思えなかったんだが、あるブログで「ダニエルはあの転落で性的不能になった」というのを読んだ。
確かに、ダニエルには女の影が全くない。妻もいなければ、遊びの女もいない。なるほど、あの場面にしっかりとした意味があったのか、と。
ダニエルは作中で一貫して家族にかなり固執している。
死んだ採掘仲間の子ども(乳幼児)を自分の子どもとして育てる。
この子ども、事故で聴力を失ってダニエルに捨てられたり、石油会社の交渉の道具として利用されたり、というように見える。
が、わたくしはこのダニエルの行動は結局、血のつながっていない子どもは子どもなのか?というところで揺れ動いていたんだと思う。だからこそ、何だかんだしっかり育てて、最後、成人した息子から「父さんを心から愛している」と言われるんだろう。
息子が嫁とメキシコに行く、と言った時にダニエルが過剰反応したのは、ダニエルは家族を失うのが怖かったからだろう。わたくしは、この時まで息子が孤児だったことを隠してきたダニエルに驚いた。
ダニエルは、途中出てくる偽物の弟に対しても過剰反応するし、洗礼を受けるのもかなり嫌がっていた(キリスト教徒として「兄弟」と呼ばれるからだろう)。
たしか、偽物の弟との会話の時に、ダニエルは父と確執があった、という内容が流れたはず。ダニエルは結局、不幸な家族で育ったのだと思う。だからこそ、家族に固執している。
(この部分がほぼ説明されないもんだから、非常に分かりにくい)
エセ宗教家のイーライをボウリングのピンでぶん殴ったり、そもそも何回もイーライはダニエルにぶん殴られてるけども、あれは名誉欲のために自分の家族を売ったイーライに対して、ダニエルがものすごい憎悪を抱えてたからじゃないだろうか?
簡単にまとめる。
ダニエルは(おそらく)不幸な家族で育ち、そのため、家族に固執している。だがダニエルは(おそらく)事故による性的不能で、自ら家族を作れない。だから血のつながっていない息子に対しての態度が揺れ動く。家族のことになると過剰反応する。
となると、ダニエルが向かう先は、金になって当然なのか?
「金を稼いで人がいないところに住みたい」と発言していたダニエルにとって、石油は何だったのか?
人がいないところに住むための手段ではなくて、石油による金儲けがいつの間にか目的になっていたんじゃないか?
また、本当は人が恋しいであろうダニエルの人間関係を破壊するものだったのではないのか?
それが資本主義における「本末転倒」を表現しているようにも見える。
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