『ボヤージュ・オブ・タイム』感想

単なる退屈な映像ポエムと見るか、卓抜した映像美を持つ映画と見るか、評価は完全に分かれる作品。

ごくごく短いナレーションと天地創造を表現したような映像が延々と流れるだけの映画。この寡作のテレンス・マリック監督の中では『ツリー・オブ・ライフ』が最も近い作品かと思う。

個人的に思うのは、これは瞑想的な映画だなと。短いナレーションが想像力を働かせて、ぼんやりと観ていても「時の旅(まさに、ボヤージュ・オブ・タイム)」が描かれているんだなー、と目が離せなくなる。音楽に関しても、幻想的というのか、神秘的というのか、荘厳とでもいうのか、それほど主張しない音が流れる。無音の時間も長い。

現実には存在しない(はるか昔のいつかにはあったかもしれない)映像が「生命」を表現する。マグマも月も星も湖も噴火も滝も海もクラゲのような生物も単細胞生物のようなものも卵子を追いかける精子のように見えるものも、全て現実にあったものではないだろうし、現実と同じようには描かれていない。にもかかわらず、見ていれば、それは生命を描いているようにしか見えないのである。もちろん、現実をイメージしながら作った映像だからではあるけれども。

ナレーションは「母を求める」「あなたは誰?」「母よ 誕生する 今」「私がいる」「私と話して」「あなたはあまりに偉大すぎる」「私たちは何も知らない 盲目」などといった、短くて抽象的なものばかり。
観る側の問題は、この世界観に付いてこられるかどうかに尽きる。通常の映画のようにストーリーといったものはないから、映像の流れと宗教的でもあるナレーションについてこられるか否か。

90分ほどの映画で、60分過ぎくらいからは現実に存在するであろう動物、原始人(こちらは実在したか微妙だが)が現れてくる。そして大都市を上空から見下ろしたような映像も現れる。
過去から現在へ、時は流れている。

その流れを見続けられるかどうか、人を選ぶ作品であることは間違いない。良い意味でぽけーっと観られるから、個人的には最高にオススメ(同じ監督の『ツリー・オブ・ライフ』も同様の理由でオススメ)。

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