もう昨年の十一月の話になる。
数年間連絡を取っていなかった元カノからいきなり電話が来た。
珍しいなと思い、電話に出た。
「ずっと連絡してなかったのに電話に出てくれるなんて本当に優しいね」などと褒めてくる。何だか気持ちが悪い。
しばらく話していると、完全に呂律が回らなくなり、相当酔っていることが分かった。こんなに呂律が回らない彼女は、電話でも実際会った時でも今までに見たことがない。絶対に何か用事があるはずだと思い、聞いてみた。
「実は、舌に腫瘍が出来てどんどん大きくなってるんだよね……初めは口内炎だと思ってたんだけど……」
「は? それヤバいじゃん。病院は行ったの?」
「それが……行ってないんだよね……痛いのが怖くて」
やはり……。
大の病院嫌いなのは知っていたので、案の定だなと思った。
「親には言ったの?」
「いや、それも言えてないんだよね……。友だちとかになら言えるんだけど」
これもやはり、である。言えていれば、親がすぐさま病院に連れていくはずだろう。体に麻痺もあるらしく、もう死を覚悟しているかのような口振りだった。相当泥酔状態の彼女としばらく電話して「親に言わなきゃ怒るからね」と言って電話を切った。
その数日後、またもや泥酔状態で電話が来た。
まだ親に言えていないという。長電話していたら、喧嘩ふっかけてきたので「もう切るぞ」と言って強引に電話を切った。その後、一応、LINEでフォローは入れておいた。
遠くに住んでいるのもあり、彼女自身が何とか勇気を振り絞ってくれなければどうしようもない問題である。
結局、彼女は親に言い、病院に行って舌ガンで一月に入院。
見舞いに行きたかったのだが、飛び降り王子がうつ状態で車の運転も怖いため、行くことが出来なかった。
せめて電話だけでも……と思い、入院中の彼女と電話をした。酒もたばこも抜けてむしろ元気だと言っていた。印象的だったのが、抗ガン剤治療で髪が抜けて「明日坊主にして出家してくる」と言っていたことだった。命に別状はなく、声も残ると聞いて、本当に安心した。
二月に八時間の手術が終了。
王子の飛び降りで四時間ほどの手術だった。その倍!
しかも舌といえば、神経の集まっている場所で術後は相当な地獄だったに違いない。
しばらく点滴で栄養を取り、三月に入ってもミキサーの流動食。四月に連絡したら、ようやく退院したという話だった。
きちんと喋れるのか聞くのが怖くて、術後、電話はしていない。
王子が入院中の見舞いの話をしようと書いていたのだが、文字数(1200字)の限界が近い。
大学院の教授が見舞いに来てくれたことがある。
飛び降りたとは流石に言えなくて、酔っていて五階から落ちた、で貫き通した。せっかく見舞いに来てくれた人に嘘を吐くのは申し訳ない気持ちになるものだ。
当時、本当に仲の良い人以外には、飛び降りたとは言えなかった。たとえバレていたとしても。
字数の限界が来た。
健康第一である。
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